当社に在籍する専門の調査員が、これまで蓄積してきた考古学や自然科学のノウハウを生かし発掘調査を行います。
調査の計画段階から、試掘調査、本調査、それに係る各種分析調査、遺物整理、報告書作成まで一貫して行います。
遺物の水洗、選別、接合、注記、実測等を行います。特に、管玉、石質剥片、鍛造剥片などの微細な人工遺物や、木材、種実等の自然遺物等、通常の手法では選別が難しい遺物に対しても、これまで蓄積してきた自然科学分析のノウハウを生かして対応します。
木製品や金属遺物に関して、あらかじめ各種調査を行った上で、最良の方法を選択して保存処理を実施します。各種保存処理法に広く対応致します。もちろん遺物に関する樹種同定や成分分析等の自然科学分析をあわせて実施することも可能です。
地層は、地質学、考古学、土壌学などを研究する上で欠かせない対象物だが、標本として収集・保存することが容易でなありません。しかし、「地層剥ぎ取り」という技法を用いると、断面のまま、地層を標本化することができます。露頭(地層断面)に接着剤を直接噴きつけてから裏打ちし、固化後に露頭表面を薄く剥離させます。 製作された標本は 実際とは鏡反転しますが、地層の連続的な層位関係をそのまま実物で採取すること ができます。また構成粒子の多くを切断することなく採取できるため、粒径や粒子の配列などの特徴も残すことができます。
14Cは炭素の同位体の一つで、約5600年の半減期を持ち、大気中は約1兆分の1の割合で含まれています。化石中では、代謝が失われ14C濃度が減少していくため、その濃度を求めて年代値に換算します。測定は約5万年前ぐらいまで可能です。最近は極少量の試料でも精度良く測定可能な加速器分析法(AMS法)の普及もあり、遺跡調査や活断層調査をはじめ、広範な分野で利用されています。当社では、試料の燃焼、精製、グラファイト化を自動処理するIonplus社のAge3を導入し、効率的な処理を行っています。
黒曜石は、古くから石器に利用された代表的な岩石の一つで、優美な外観から装飾品にも利用されています。考古遺跡から出土する黒曜石試料を自然科学的手法により原産地を推定する研究は国内外で種々の方法で試みられてきたが、近年は発光分光分析、放射化分析、蛍光X線分析など化学的な手法が主流となってます。当社は原産地から採取された数千点にもおよぶデーターから多変量解析を行い判別を行っています。今後、さらに精度を上げるため、新たな判別指標や方法に関する研究開発も行っています。
当社では、教育現場における植物園・岩石園作成のお手伝い、環境教室・職場体験などの校外学習への協力など、当社の技術を通して地域の皆様に貢献できるよう努力しています。 また、資料館、博物館等展示会への資試料の貸し出しや、展示物作成の協力も行っています。
当社では、教育機関の講義や学術調査などにも人材を派遣し、教育や一般への普及にも積極的に対応しております。また、市民講座の講師や発掘調査担当者の方々を対象にした自然科学の手法や応用に関するレクチャーも逐次行っています。普及用書籍に必要な掲載用の写真(化石、景観など)、展示に使用する化石や写真など、当社保有の資試料の貸し出しも行っています。
当社では、社内における研究成果発表会、社外講師を招いての講演会、現地調査を中心とした野外研修会等を定常的に実施し、社員のスキル向上を行っています。これまでに、各分野の第一線で活躍されている先生方を招いての講演会や、写真や製版などの技術者を招いての講習会、各地での野外巡検を行っています。これらの成果は、報告書作成の際に活かされていくとともに、一部は各種学術発表や社内紀要への投稿を通じて公表しています。
当社では、共同研究や研究開発などを通じて蓄積した成果を、学術発表や論文化によって、公表しています。また、学会運営等にも委員を派遣するなど、積極的に関わっています。